iRacing Development Update – 2025/05

今回も iRacing のエグゼクティブプロデューサー、Greg Hill が最新の開発状況や、シーズン 3 または将来に予定されている新コンテンツ・新機能を伝えてくれました。

iRacing Development Update: May 2025 (iRacing.com)
iRacing Development Update – May 2025 (iRacing Forum)

以下に列挙して紹介します。ほかにも多くのプロジェクトが進行中です。

シーズン 3 登場予定サーキット

※多めに挙げており、間に合わなかった場合はリリースがシーズン 4 になる可能性があります。

新作コース

“The Bend” – Shell V-Power Motorsport Park … 世界で2番目に長い常設コースとなる全長 7.7km の GTサーキットを含む 7レイアウト

再スキャン・再モデリング

Iowa Speedway … 再舗装
Richmond Raceway … リアルでは再舗装されていないが施設と共に路面もアップデート
Sonoma Raceway … 複数回の舗装工事と再スキャンの末のアップデート
Worldwide Technology Raceway (Gateway) … IndyCar 復帰時の再舗装アップデート(今回はオーバルのみ)
Charlotte Motor Speedway … リアルでの複数のプロトタイプ開発で協力してきた今年と去年の変更点を反映
North Wilkesboro Speedway … 改修された現代版の初公開

リフレッシュ・アップデート

NASCAR コースのアップデート: シーズン 3 でできるだけ多くリリースして残りはシーズン 4 に。
別のレースシリーズにフォーカスしたプロジェクトにも着手(詳細は近日中に)。
さらに多くのサーキットのアップデートを継続していく。

進行中の例: Circuit of the Americas, Darlington, Daytona, Indianapolis, Lime Rock Park, Phoenix, Texas

シーズン 3 登場予定の新車

Ferrari 296 Challenge

ワンメイク車両

NASCAR Gen4 Cup カー

2つのパッケージ: 2003 Chevrolet Monte Carlo と 2003 Ford Taurus
それぞれに 2つのボディ: Stockcar と Speedway Stockcar … ペイント UI での切替も可

シーズン 3 車両大型アップデート

※発表できる段階にないが下記以外にも複数シーズンをまたいで進行中のプロジェクトがある

INDYCAR IR-18

ダラーラ、INDYCAR、INDYCARドライバーとのコラボレーションによって2025仕様に完全アップデート。
セットアップ範囲がより正確に。ロードコース、ショートオーバル、ラージオーバルにそれぞれバージボードオプションを追加。
タイヤコンディション精度、ドライビングフィールとフィードバックを向上。
フィジクス、エアロモデリング、ウェットタイヤの追加も含まれる。
コスワースステアリングホイール、ロードコース専用エアロスクリーン、アンチラグサウンドなどオーディオアップデート。

ハイブリッドシステムにはもっと時間をかけて完成させる。

NASCAR Gen7 Cupカー

コンディショニングや限界のフィードバック、限界を超えた際のスライドリカバリなど多くの特性を改良した最新タイヤ。
NASCARとのパートナーシップによりGen7専用CFDベースのドラフティングモデルなど空力特性を改良。

GT3

最新タイヤモデルによる新しいドライタイヤ・ウェットタイヤ。社内の車両ダイナミクスエンジニアとドライビングスペシャリストと、実際に同じ車両でレースするプロドライバーの協力で徹底的にテストと改良を重ねた。
タイヤ表面温度の急上昇を適切なレベルに抑え、短期的なスライド耐性が向上してグリップ回復の遅れがなくなった。
タイヤがあたたまってパフォーマンスを発揮するまでは忍耐が必要。新品タイヤのファステストは計測4-5周目。
給油時タイヤ交換は必要。
タイヤの横方向の剛性は高く、垂直方向バネレートは柔らかく(たわむ)。
タイヤの動的な車高制御を助けるため設定なかった車両にもバンプラバーを追加。
CFDモデリングで大半の車両の空力特性を刷新、車高マップ、ヨー&ロール感度、空力特性とそれによるニュアンス/フィーリングの調整。
車高のスイートスポットは従来から変わったのでセットアップ作業が必要。
フロントスプリッター、フロントライドハイト、リアライドハイトは車検通過にいずれも50mm以上が必要。
現在のセットアップは廃止。リアウィング角度と車高・レーキの記録を保存して2025シーズン3の開始点としてください。
シーズン BOP は重量やエンジン出力の変更は含まず、空力面のダウンフォースとドラッグのみ調整された。

限界走行時と限界を超えたときもよくなりました。

その他の車両アップデート

Lotus 79 とスーパーフォーミュラのレインタイヤ。
F4 ドライ/ウェットタイヤの刷新。
BMW M4 G82 GT4 が EVO に進化。
BMW M Hybrid V8 のステアリングホイールを今年使用されているものに更新。
GTP クラスのアップデートフェーズ 2 として予定していたハイブリッドシステムの見直しはシーズン 3 までに完了予定だったがもう少し時間をかける。

その他機能アップデート

VR

NVIDIA RTX 2000以上向け quad-view fixed foveated rendering のサポートを追加。異なる 4視点を用いてレンダリングし、ドライバー頭部周辺は忠実度高く、シーン周辺部は低い忠実度としてパフォーマンスが向上する。

ダイナミックトラックの濡れ具合を視覚的に一致させる再調整

タイヤとマシンから生じるスプレーでも同様の目標を設定したがシーズン 3 で実装されるかどうかは未定。

Adaptive AI の改良

セッション間の挙動改善と、Hostedセッションへの導入(複数ドライバーへのシステムサポートが必要)。

ハードウェアサポート

複数ホイールの360Hzサポートと触覚サポートの追加。

その他進行中のアップデート/開発

新 UI

良い進捗状況。

新レンダリングエンジン

順調に進行中。GPU駆動型アーキテクチャとCPUオーバーヘッドの低減。
プロジェクトチームはダイナミックトラックの新しいレンダラーへの統合を達成。

継続的なフィジクス改善

FFB改善、周辺機器サポート強化、物理演算レート向上、次世代タイヤモデル開発

キャリアモード

実装済みの Adaptive AI 以外にバックエンドとUIシステムの開発に全力。

その他

古いオラクルオンプレ環境からオラクルクラウド(OCI)へ移行。データベースのメンテ期間削減が可能に。
デモドライブとメンテナンス通知をiRacingアプリケーションに統合。

将来のアップデート

9月・12月リリース予定のサーキット開発に着手済み。
注力しているのはMexico City、Miami。
GT3, GT4, GTP の追加車両。
Dirt Road カー。
ハイパフォーマンスオープンホイール車両の追加。
オーディオ体験の変革、AI活用研究開発、ツール開発などなど、また次回紹介。