開発状況 2015/11

かつてはCat Herderブログとして定期的に書かれていた上級副社長Steve Myersのブログより、開発状況をお知らせ。

12月のビルドに限った話でなく、しかし全てを語るつもりはないし、約束もしない(たとえ12月ビルドに来ると言ったとしても!)。

いつものように、多くのものを開発中で、中にはみんなをぶっ飛ばすような(未公表の) big tickets items も。素晴らしいコミュニティのサポートがなければここまで来れなかったのでとても感謝しています。

Web & UI, Infra

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  • リニューアルされたパブリックサイトhttp://www.iracing.comと同じテイストでメンバーサイトとユーザーインターフェースをオーバーホールする。現時点でUIフロントエンドのデザインはほぼ完成、実装していく段階に。(=12月ビルドでは来ない)
  • 巨大な「behind the scenes」プロジェクトとして、バックエンドのハードウェアや技術面をアップグレード。商用製品からオープンソース製品へとインフラ技術を移行しようとしている。大人数が参加するビッグイベントでのサーバースケーリングに有利になる。最初のステップはもっとも危険が大きく、変更を最小限にするためにダイレクトに移植してリスクの最小化に努めている。しかしOS、運用手順、監視手法、キャパシティプランニング、ベンダー独自だった仕様、実装方法、といった基本的なインフラは完全に新しくなる。これらの最初のステップとともに、よりスケーラブルな機能セット、継続的なインテグレーション(統合)、テスト、デプロイ(展開・配備)を可能にする。

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McLaren MP4-30 F1

  • 今年のパフォーマンスは芳しくないが、これまで誰も開発していない、最も技術的に高度な車両をこれまでにないほどのディテールでお届けできる。
  • 3週間前に新しいCADデータを受け取った。
  • 今日のF1技術として想像されるすべての技術を組み込もうとしている。
  • ERS(Energy Recovery System/ターボ・ブレーキの熱エネルギー回生システム)を実装するためにエンジンモデルを再設計した。
  • 電力バンクによる推進力を生むMGU(Motor Generator Unit)を使ったオーバーテイクとリチャージのためのマネージメントや、レースを走りきるための燃料マネージメントが必要になる。
  • DRS(Drag Reduction System)も実装し、各トラックで基本的に 1-2 のDRSゾーンが設定され、前車との関係で使用可能となる(予選やプラクティスでは前車に関係なく使用可能)。
  • この新しいF1のリリース時、F1で使用される主なトラック群にDRSゾーン設定が追加されたあと、徐々に他のトラックにも追加されていく。
  • McLaren MP4-30開発の最終的なゴールでもある複数コンパウンド(レース中の両コンパウンド使用が必須)の採用については、12月ビルドでは実装されないが、2016年のiRacing World Championship Grand Prixシリーズまでに実装する計画。

ニュルブルクリンク

  • NordschleifeとGPコースを別トラックとしてリリース、2つを組み合わせれば24時間レース用レイアウトが使えるようになる。リリース後にホットラップ競技で使われるツーリスト設定を含む全部で12のレイアウト。
  • ニュルのリリースだけで興奮しているわけではない。トラックの共同オーナーにiRacingを訪問いただいて、我々が如何にして共に前進できるか、VLNシリーズなどについて話し合いを行った。
  • ニュルのツーリスト設定において何台の車両を使えるようにするか、として始まったプロジェクト。ピットロードの限られたスペースでどれだけの車両を使えるようにするか。12月ビルドではDaytona, Sebring, Spa, Nurburgringで最大60台となり、今後このトラックリストを拡大していく計画。

Oval

  • Southern National Motorsports Parkが12月ビルドで。もしかしたらビルドリリースに間に合わないことがあるかもしれないが、その後すぐにリリースされる予定。

Sound

  • 12月ビルドにはサウンドのアップデートもある。
  • 車両のサウンドアップデートと、デブリ、タイヤのサウンド。

Graphic

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  • 前ビルドで実装した新しいパーティクルシステムはそのターゲットとする利点を逃してしまった。バックファイア、グラベル、芝、ダート、マーブルが次期ビルドで新しくなり、コクピットのライブ感にドラマチックな違いをもたらす。
  • これらデブリはただのエフェクトというだけではない。タイヤに拾われ飛ばされトラクションに影響する。ビルドにまだ含まれないかもしれないが、オープンホイールでは視覚的に確認できるようにタイヤ上のデブリを見えるようにする計画。
  • このパーティクルシステムのもう一つの視覚的なエフェクト、スモーク。ハイ・ディテールでシムを起動できればそれらを目にするだろう。バーンナウトはこれまでになく美しくなっている。
  • DX11はこのビルドでは来ないが、進捗はとても良い。すでにアルファテストを進行中で、素晴らしいフィードバックを得ている。現時点ではDX11専門のアルファテスターを数名置いている。
  • 大多数のシェーダーやエフェクトシステムは新しいグラフィックAPIに移行された。そのプロセス上、いくつかのシステムはパフォーマンス向上のために書き直すことになった。特に注目すべきは、DX9でのDepth of Field実装のような後処理システムで、書き直したことで将来的にエフェクトの追加がやり易くなった。
  • さらにDX11の作業の一部としてOculus Rift 0.7 SDKサポートの実装に関する作業もスタートさせている。
  • まだ少し作業は残っているが、多くの進捗を見た。ここで明確にしておこうと思うが、Windows 7以降の64bit版、それ以外は終焉を迎えることになる。ニュルブルクリンクを走るには 6GBのメモリが必要になるだろう。サンタにPCアップグレードをお願いしないと。

その他の開発パイプライン上にあるコンテンツ

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  • Mazda Global MX-5 Cup carは、実際にレースカー開発の手助けをしていたのでフィジクス面では完成している。つい最近ボディキットが最終決定されたので、今週ボディをスキャンする予定。新しいMX-5が完成したら、オフィシャルシリーズでは車両を入れ換えることになる。そこには無料の基本パッケージも含まれる。
  • Mercedes AMG GT3とAudi R8 LMSが 3月ビルド、2016シーズン2 の iRacing Blancpain GT シリーズに追加されることになるだろう。
  • Formula Renault 2.0も開発中で来年前半には完成させたい。
  • Imolaが次のメジャープロジェクトとして3月ビルドの見込み。
  • Le Mansはでき得る全てを行っても来年 6月の完成は難しいだろう。