Guide to the Updated Aero Model for Super Speedways

オフィシャルセットアップビルダーの Matt Holden より、NASCARカップカーシリーズの新しいSSWエアロモデルについての説明がメンバーフォーラムに投稿されました。

ちょうどタラデガ週が始まるタイミングの投稿で、ラグなく提供できるとよかったのですけれど… 都合により遅くなってしまいましたが、iRJA日本語翻訳版を公開しますので新エアロモデルの概要について確認しておくことをお勧めします。

なお、スーパースピードウェイよりもトラック上を広く動いて複雑なインターミディエイトオーバル用のエアロモデルについてもできる限りのハードワーク中とのことです。

それでは以下で和訳版をどうぞ!

SSW用新エアロモデルのガイド

2021s2ビルドでは膨大な現実世界のデータを元にカップカーのスーパースピードウェイ用フィジクスをオーバーホールしたアップデートをリリースしました。このアップデートにより、これまにないほどドラフティングがより現実世界に近づきました。複数のカップカードライバーが開発を手助けしてくれて、とてもリアルと言いました。そして現実のテクニックが期待通りの効果をもたらします。とは言うものの、これらのテクニックは直感に反することもあるので、新機能の概要と過去との違いについて確認しておくとよいでしょう。

バブル

最も劇的な変化が「バブル」です。

後続車が先行車に近づくと、先行車のドラッグが減って後続車は先行車に到達しにくくなります。これはスーパースピードウェイで後半に向けて周回を重ねていく序盤戦でよく見られます。iRacingのバブルも同様に働き、コーナーでギャップが小さくなってもストレートでは離れるのが見られるはずです。あなたの周りの車が、先行車の周りの空気に影響を与えていないか、あなたのバブル突破を助けていない限り、自分自身でバブルを突破するのは難しいはずです。

そうは言っても、バブルは壊せます。通常、先行車のリアバンパーからの距離は車体の半分ほどの長さから保ちにくくなり、かなり簡単にギャップを埋められるようになることに注意する必要があります。この現象は2021年のデイトナで実際に見られ、最初のビッグワンを起こしました。

バブルを壊す

パック前方では、自分自身でバブルを壊して突破することはほぼ不可能でしょう。パックの真ん中や後ろでは、前の車に近づきやすくするための十分な空気が必要です。バブルにスタックしたことに気づいたのなら、助けを探す必要があります。最も効果的なのは下がって後続車に近づき彼らに後押しさせることですが、これは両者が協力する必要があります。と言ってもかなり簡単なことで、先行車がブレーキを引きずるかスロットルの息継ぎさせてわずかに下がります。これでわずかに後退することになりますが、一歩下がって二歩進むようにして車を前に押し出します。

他方、先行車の勢いを削ぐ方法として、ブレーキを引きずったり、スロットルを離したり、アップデートされたサイドドラフトを使う方法もあります。

サイドドラフト

以前から、小さくシンプルなサイドドラフトモデルはありましたが、今回のアップデートで、はるかに正確で効果的なシステムが追加されました。基本的に、後続車が先行車の後部角に接近すると、先行車は勢いを失い後続車を前進させることができます。同様に、追い越される車は、追い越し車の後部角を捉えることで追い越し車の勢いを失速させ、完全には追い抜かれるないように防御することができます。車のどちら側がより強力ということはありません。適切に使用すればどちらでも効果があります。

先行車にストールさせられずに追い抜きを実行するのはかなり練習が必要ですが、カウンターを防ぐために離れるタイミングを知ることと同じくらい簡単です。

プッシング

バブルが破られ2台の車のバンパーが接触する可能性があるとき、それらのスピードは劇的に増加します。ただし、このとき多くのことが起こっているのでただ押すというほどにシンプルではありません。現実のNASCARドライバーから実際にどのように行われているのか多くを学びましたが、これが開発中にコツを掴むのが最も難しいものでした。

はじめに、プッシュする車両が先行車よりもどれだけ多くのことが必要となるのか認識する必要があります。プッシュする状況においては、先行車は多くのドラッグがあるので全開のままでいやすいですが、後続車はドラッグが小さいので今にも先行車を通り抜けそうです。効果的にプッシュするには(そして勢いを保ったまま十分安定させるためには)、先行車を不安定にさせるほど強くなく、両車がくっついたままになるようにプッシュする側がスロットルをオンオフして調節する必要があります。適切に行われると、バブルの外の2台と比べてラップタイムを1秒短縮できることもあります。スロットルを緩めたり踏んだりするタイミングを掴むのは難しくて感覚を掴めるまでには時間もかかります。テレビ放送で簡単そうに観れるものとは違い、現実のカップカードライバーであってもそうだということは驚きでもありました。

そして、2台の車の間ではエアロバランスが変化して混乱を引き起こします。先行車はリアのダウンフォースを失い、後続車はフロントのダウンフォースを失います。これは先行車がプッシュされた際に不安定になりやすいことを意味するので、後続車は先行車の前方のターンを予測して、押しすぎたり離れすぎたりしないようにする必要があります。プッシュする後続車が全開でいられるほど、先行車をスピンさせずにスロットルを緩めるのが少ないほど、効果が得られます。2台の車がオフセットすることによるサイドフォースの変化も作用する可能性があり、プッシュする後続車が僅かに左にオフセットすると先行車はルースに、逆に後続車が右にオフセットしてプッシュする場面では先行車はタイトになります。このことは先行車では感じられやすいですが、プッシュする側のドライバーも配慮して先行車がスピンすることのないようにする必要があります。

プッシングについての最後の注意点は、後続車が勢いを失っても、先行車は全開のまま後続車から離れて走行できることです。こういった状況下でペアが接点を維持するためにバブルを壊すには、先行車がしなくてはならないことがあります。具体的には、先行車が機先を制してブレーキを引きずったりスロットルを緩めて両車の接点を維持することで、こうした状況を回避することができます。

前車のバンパーを追うな

後続車が先行車の一点にフォーカスしてそこを正面に捉えようとするのはスーパースピードウェイでのレースでは極めて一般的な事象です。これによって車同士の左右の動きが終わらず、車列の中でこれが起こると車列全体が蛇行し始めます。現在のモデルでは、このことが車の勢いを維持できないほどのドラッグを生じたり、プッシュする車はそれをうまく維持できなくなったりします。真正面の車にフォーカスするのではなく、あなたが後ろに付けた車のさらに前を見ることと、両車の外にあるものをリファレンスとすることが重要です。デイトナでは、照明灯が優れたリファレンスであり、後続車がターン2出口でターン3の照明灯をピックアップするのは簡単ですし、フロントストレッチからはグランドスタンドやターン1の照明灯も見やすいです。タラデガには照明灯はありませんが、トラック自体の何かをリファレンスとすることはできます。文字通り追走する車を見ないことは難しいですが、スピードを上げるためにはとても重要です。

同様に、先行車のドライバーは、ミラーに集中して後続車の中心に留まろうとしないことが重要です。一貫性を維持して、後続車のプッシングをコントロールできるようにすることがはるかに重要です。先行車の予期しない動きは後続車のスロットルを緩めさせることになり、両車のスピードを犠牲にしたり、ペアを離れさせてしまうこともあります。あなたがプッシュされる状況になった際には、上記リファレンスを見つけたり前方のトラックにフォーカスして、できるだけ一貫性のあるラインを走行してください。両車の左右の動きが少ないほど、スピードを上げることができます。

ステアリングレシオ

多くの場合、小さなステアリングの動きで大きな効果を与えるのを防ぐために、より大きなステアリングレシオを使うことが役立つことがあります。旋回に必要な操舵量が大きくなるので練習も必要ですが、左右の動きが減るのでその効果は小さくありません。

さいごに

プッシュしようとする車もプッシュされるためにバックアップするのです。そうすることで後続車がしばらくその位置を保つでしょう。このモデルは現実世界と同様にドライバー同士の協力が必要です。競争相手に質問したりアドバイスすることを惜しまず、楽しむことを忘れないでください。みなさんグッドラック!